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深井ゆきえの【ゆるシェアコミュニケーション!】vol.5

フリーアナウンサーの深井ゆきえです。
その場の空気作りを求められる“司会”や、映像とともに分かりやすく情報を伝える“テレビ”、音声でリスナーの日常に溶け込む“ラジオ”などさまざまなシーンで「伝える」に向き合っている経験から、日々のコミュニケーションがちょっとラクに、楽しくなるような話題をゆるりとお届けしていきます。


夕暮れ時のBGMがセミからヒグラシにバトンタッチし、トンボが舞う、秋の足音を実感する時季ですが、この夏はどんな夏でしたか? 大雨や猛暑など辛いニュースも多かったですが、個人的には東北勢として初めて甲子園大会優勝を果たした仙台育英の感動が胸に焼き付いています。

心揺さぶられた「あの言葉」が生まれた背景


夏の高校野球。仙台育英だけではなく高校球児の、応援するスタンドのひたむきな姿、“The青春”の何もかもが眩しくて試合を直視できないくらい心が動く毎日でした。

そして、なんと言っても優勝後の須江航監督の素晴らしいインタビュー。「青春ってすごく密」を今年の流行語大賞に! とSNSでも盛り上がっているようですが「宮城の皆さん、東北の皆さんおめでとうございます!」から始まり、「全国の高校生に拍手を」で締め括られた温かい言葉に心が揺さぶられた方は多いはず。

宮城・東北の人びと、子どもたち、対戦相手…全方位・あらゆる人への思いやりに溢れた歴史に残る言葉だと感じました。

18人中16人が東北出身選手という「オール東北」での白河の関越え。凱旋後のインタビューの中でその巧みな人材育成力、指導法について聞かれた須江監督は、「僕が高校生の頃は一度も試合に出たことがない、万年補欠でした。その頃の、補欠だった時の気持ちは忘れないようにしよう、それだけです」と答えていらして、ああ、これだと納得。

試合に出ることができない、スポットライトの当たらない人の存在や気持ちに限りなく心を寄せることのできる方だからこそ出た、心からの言葉だったのですね。

受け取る相手の捉え方を想像することで伝え方はおのずと変わる

須江監督は、常々「やさしさは想像力」と生徒たちに伝え続けているそうです。

私自身、言葉を生業としている者の端くれとして、言葉を発するときに一番大切にしているのが「想像力」です。カメラの向こう側、マイクの向こう側にいる人のことをいかに具体的に想像できるか。

例えば、「雨」という天気一つを伝えるにしても、どんなトーンで伝えるのが適切なのかを常に考えます。雨だと元気が出なくて体調が悪くなる方、洗濯物が乾かなくて困る主婦の方もいるでしょうし、配送業や工事現場の方にとっては作業の大変さが倍増するでしょう。一方で、読書が捗る雨が大好きな方もいるでしょうし、農家の方にとっては「恵みの雨」かもしれません。


もちろん、その「雨」の程度や降り方、状況によっても変化しますが、いずれにせよ「雨」から受け取るイメージは十人十色。そのあらゆる捉え方を想像しながら、「今」適切な伝え方は何かを常に模索しています。私たちの仕事はこの想像力がなければ絶対に成り立ちません。

親しい間柄にこそ、想像力を意識したい

オフィスでも家庭でも、すべてのコミュニケーションは想像力がベースですよね。相手の立場に立って考え、行動すること。親しい間柄であればあるほどこの想像力のスイッチは入りづらくなるところがまた難しい。

私もまだまだですが、一人一人が昨日より1%でも想像力をアップしたら、世界はきっとやさしくなるはず。仙台育英の勝利の土台にあった「想像力」、あなたも少し意識してみませんか?

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深井ゆきえ

フリーアナウンサー。Date fm「Morning Brush(7:30~11:00)木・金曜担当。元ミヤギテレビ。おいしいものを食べたい欲が人一倍強く、趣味は季節の手仕事というオーガニックオタク。2人の娘の子育てと仕事、自分時間のバランスが目下の課題。

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元ミヤギテレビアナウンサー。Date fm「Morning Brush(7:30-11:00)」木・金曜担当。おいしいものを食べたい欲が人一倍強く、趣味は季節の手仕事というオーガニックオタク。2人の娘の子育てと仕事、自分時間のバランスが目下の課題。

  1. 深井ゆきえ【気付きを、あえて言葉で】vol.15

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