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深井ゆきえ【気付きを、あえて言葉で】vol.7

フリーアナウンサーの深井ゆきえです。

仕事にプライベートに忙しく過ごしている中で、何気なく見過ごしてしまっていることや、忘れてしまい「なかったこと」になりがちな些細なこと。“伝える”仕事に携わっているフリーアナウンサーの私が、そんな気付きを言葉にしてすくい取り、考えを巡らせ、日々の中で積み重ねていきます。

蔵王町へ大好きな梨狩りをしにドライブ

先日、「梨狩り」に行ってきた。こんなに梨が大好きなのに、実は梨を木からもぐという体験をしたのは初めてだった。訪れたのは、県南の梨の産地・蔵王町。特に下調べもせずただ車を走らせたのだけれど、道路沿い、右も左も梨だらけ。いや、よく見るとりんごもあるな。フルーツ好きには身悶えする光景。「〇〇果樹園」という看板が次から次へと目に飛び込んでくる。すでに口の中は梨の甘酸っぱい果汁の記憶でいっぱいだ。

直売所併設の体験農園にお邪魔した。梨を購入しようとお客さんがひっきりなしに訪れ、とても忙しそう。「梨狩りですね。ちょっと待っててね」と笑顔で出迎えてくれたお嫁さんと思われる女性が「おとうさーん!」と大声で呼ぶと、店の奥からやわらかい雰囲気の農園のご主人と思しき初老の男性がゆっくりと姿を現した。小さなバケツと包丁、お皿を手にして「こちらです」と歩いて行く。

そうか、もいだら自分で剥いて食べるシステムなのね。梨の皮ごとその場でかぶりつくのかな?とちょっと心配だったからひと安心。

〝鈴なり〟の光景に心が躍り、夢中でスマホをかまえる

目の前に広がるのは、たわわに実った、きいろくてまあるい梨、梨、梨。一つ一つが立派だからその重みのためだろうか、腰をかがめて進まないと頭がぶつかってしまうほど。顔の目の前に次から次へと現れる光景に心が躍る。

なんて可愛いんだろう…!鈴なりって、こういう光景のことを言うのね。よくここまで立派に育ったね…。

実りの光景に感激して写真を撮っていると、すでに大ぶりの梨をゲットした娘たちが「ママー早く!早く梨剥いてよー」とベンチに腰を下ろしている。両手じゃないと持てないくらいの大きな梨。農園のご主人が言う。「形が良くて、黄色い梨がおいしいよ。もぐときは、下に引っ張るんじゃなくてちょっと斜め上に梨のヘタを曲げてあげるとすぐとれるから」。

なるほど、その通りにしたらいとも簡単に大きな梨が「わたしのもの」になった。ああ、今すぐ食べたい。

したたる甘酸っぱい果汁、シャリッとした歯ごたえに悶絶

皮を剥いていると、果汁が手首に滴り落ちてくる。これがもぎたての醍醐味か。はやる気持ちを抑え、なるべく丁寧に皮を剥く。思いっきり口を大きく開けて、かぶりつく。同時にスッと吸わないとこぼれてしまうくらいのたっぷりの甘酸っぱい果汁が口いっぱいに広がる。歯応えも最高。どうしてこんなに美味しいんだろう。思わず目を閉じる。

当たり前ではない旬の体験がプライスレス

大人540円、子ども320円で30分食べ放題。正直、食べる前は1人3個くらいは余裕でいける自信があったけれど、あまりの食べ応えに1個食べたら大満足してしまった。

それでも、やっぱりこの体験自体が「プライスレス」。とんでもなく良心的な値段だと思う。

あんまり美味しかったので、お土産にも購入させてもらった。自宅でもあの梨の鈴なりの光景を思い出しながら、今度はゆっくりじっくり味わっている。

きっともう「旬を味わう」はあたりまえじゃないから、細胞にまでこのおいしさが沁み渡る気がする。実りの秋に感謝。

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深井ゆきえ

フリーアナウンサー。Date fm「Morning Brush(7:30~11:00)木・金曜担当。元ミヤギテレビ。おいしいものを食べたい欲が人一倍強く、趣味は季節の手仕事というオーガニックオタク。2人の娘の子育てと仕事、自分時間のバランスが目下の課題。

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元ミヤギテレビアナウンサー。Date fm「Morning Brush(7:30-11:00)」木・金曜担当。おいしいものを食べたい欲が人一倍強く、趣味は季節の手仕事というオーガニックオタク。2人の娘の子育てと仕事、自分時間のバランスが目下の課題。

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