フリーアナウンサーの深井ゆきえです。
仕事にプライベートに忙しく過ごしている中で、何気なく見過ごしてしまっていることや、忘れてしまい「なかったこと」になりがちな些細なこと。“伝える”仕事に携わっているフリーアナウンサーの私が、そんな気付きを言葉にしてすくい取り、考えを巡らせ、日々の中で積み重ねていきます。
「なぜこのタイミングで…」熱を出した長女
ケホケホケホ。いつもと違う咳の音が長女の部屋から聞こえる。ふと嫌な予感が胸を掠めた。すると翌朝、見事に発熱。明らかに辛そうなので病院に連れていくと、即インフルエンザA型と診断された。
あぁぁついにきましたか、このタイミングで（泣）。今週は週末にかけてずっと仕事なのに。（ラジオの生放送とイベント司会。代わりのきかないヘビーなやつ。）
しかも次女は今週、学習発表会とピアノの発表会を控えている。学習発表会はコロナ禍を経て初の合唱。しかも彼女の担当はピアノの伴奏。絶対に休めない大役である。絶対にうつるわけにはいかない。うつすわけにはいかない。それにしても、ああなぜこのタイミングで…。半泣きだ。そうだった、子どもって「お願いだから今だけは熱を出さないで」という時に限って熱を出す生き物なんだった。
久しぶりに小児科を訪れ、長女が丈夫になったことを実感
久しぶりの小児科だった。久しぶりすぎて、カルテを破棄されてしまっていたほど。来院予約もLINEに変わっていて慣れない操作に手間取っていたら、ラストひと枠だった。危なかった…。（発熱していると予約が取れない限り診てもらえないのだ。）
長女は昔とにかく身体が弱く、しょっちゅう胃腸炎やら気管支炎やらになるので毎月小児科に駆け込んでいた。懐かしい。そっか、大きくなったんだな、丈夫になったんだな…。それなのに、「こんな時に限って」とか思っちゃってごめん。ずっと元気でいてくれたのに。どうやら部活内で同学年の半分が感染しているらしい。仕方ないよね。誰も病気になりたい人なんていない。
母親歴13年にもなるのに、相変わらずの自分の余裕のなさが嫌になる。いつもは口をひらけば突っかかってくる思春期ど真ん中の人が、まるで別人のようにしおらしくしているのも、この申し訳ない気持ちを増幅させてくる。
身体が弱っているときは、誰かの気配を感じたいもの
抗ウィルス薬を摂取したら幾分症状は落ち着いたものの、やはり咳が辛そうだ。ケホケホケホ。そう、彼女は気管支が弱い。私と同じ。咳って辛いよね、眠れないし。昔、風邪をひくと母が優しくなって、夜も一緒に布団を並べて寝てくれたことが嬉しかった。
そうなのだ、身体が弱っているときは誰かにそばにいてほしい。誰かの気配を感じていたい。だから、本当はずっとそばにいてあげたい。同じ空間にいてあげたい。でも、やっぱり今、私がうつるわけにはいかないから、家族にうつすわけにはいかないから、彼女を隔離しなければならない。頭ではわかっているけど、涙が出てくる。
相変わらず長女は反抗期の「は」の字もない。「仕方ないよ、だって今、ママも○○ちゃん（妹）も大事なときでしょ」なんて言って無理やり笑顔を作ろうとする。やめてよ。いつもみたいに思いっきり憎らしくなってよ。…母親とは勝手なものだ。自分でも呆れてしまう。
リクエストのりんごのコンポートを増産
幸い食欲は戻ってきたので「何食べたい？」と聞くと、「ママが作ったりんごの煮たやつ。あと、干し芋。」りんごはまだわかるけど、干し芋？！（笑）渋いチョイスがおかしくも愛おしい。紅玉のコンポートはまだ冷蔵庫にあったがすぐ増産した。
愛しい娘のために干し芋も作っちゃう！
干し芋は仕事帰りにパパが即買ってきた。「美味しい…！」とニコニコの娘。もっと笑顔が見たくて完全に私の自己満足だけど、干し芋を作ることにした。完成まで三日かかるけど。もうその頃には治ってるかもしれないけど（笑）。できた頃には「そんなのいらない」なんて言われるかな、それでもいいや。
明日は、次女の学習発表会。長女のためにもぜっったいにうつらないと決めている。私はラジオの生放送があるから観に行けないけれど、次女にとっても決戦の時。今週は家族で正念場だ。
11月。寒さが深まってきました。どうぞ皆様もぐれぐれもご自愛くださいね。
フリーアナウンサー。Date fm「Morning Brush（7:30～11:00）木・金曜担当。元ミヤギテレビ。おいしいものを食べたい欲が人一倍強く、趣味は季節の手仕事というオーガニックオタク。2人の娘の子育てと仕事、自分時間のバランスが目下の課題。
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