フリーアナウンサーの深井ゆきえです。
仕事にプライベートに忙しく過ごしている中で、何気なく見過ごしてしまっていることや、忘れてしまい「なかったこと」になりがちな些細なこと。“伝える”仕事に携わっているフリーアナウンサーの私が、そんな気付きを言葉にしてすくい取り、考えを巡らせ、日々の中で積み重ねていきます。
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春はもうすぐそこ
車を走らせていると、ふとピンク色に目を奪われた。信号待ちのほんの少しの時間、目に飛び込んできたのは鮮やかに咲き誇る梅の花。満開だった。ラジオでも卒業式にまつわるエピソードがたくさん寄せられる。卒業ソングも相まって、胸がキュッとなる。あぁ、春はもうすぐそこだと実感させられる。
そんな中、先日慌てて仕込んだものがある。来年用の味噌だ。ちょうど去年の今頃、初めて「手前味噌」デビューし、毎日自分で作った味噌をいただくささやかな幸せを噛み締めている。
市販のものよりも少し塩分は強いけれど、豆の風味が残っていて我ながらとても美味しい。大豆がそのままごろっと残っているのもご愛嬌。毎日、お味噌を溶く工程が面倒な時間から楽しみに変わった。
「自分で作ると美味しい」魔法は本物だと思う。
長年憧れていた味噌作りは大豆を茹でて、潰して、麹を混ぜる。その工程はとてもシンプルで、拍子抜けするくらい簡単だった。
あとはただ待つだけ。
実はこの「待つ」がなかなかに難しいのだけれど(半年くらい経った頃味見をしたら全然美味しくなかった。笑)、1年後にご褒美が待っているなんて、娘曰く「タイムカプセルみたい」で、今年もワクワクしながら娘と無心になって豆を潰した。
本来のリズムを取り戻せる味噌づくり
年度末だからだろうか、このところ仕事や細々とした予定に日々忙殺されていて呼吸が浅くなっていることを自覚する。正直に告白すると、この原稿も締め切りを過ぎている(ごめんなさい…)
でも、そんな余裕がない日々だからこそ、1年後のための別に「やらなくてもいい」味噌づくりは、本来の自分のリズムを取り戻してくれる気がする。一見面倒に思えることでも、体を動かしてみると案外すぐに終わるものだ。そのひと手間をかけられるか、その積み重ねでちょっと先の未来の彩りは増していくのかもしれない・・・。
来年の味噌も、楽しみだ。
フリーアナウンサー。Date fm「Morning Brush(7:30~11:00)木・金曜担当。元ミヤギテレビ。おいしいものを食べたい欲が人一倍強く、趣味は季節の手仕事というオーガニックオタク。2人の娘の子育てと仕事、自分時間のバランスが目下の課題。
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