今回の《街なかの気になる》は?
仙台の街なかの「気になる」こと・もの・スポットを、タネルンがリサーチする《#調べてTANELUN》。寄り道感覚で気楽に、時にはマニアックなところまでじっくりと掘り下げれば、夢中になれるものが見つかるかも!
皆さんは「オリジナルグッズを作ってみたい」「こんな商品があったら良いのに」と思ったこと、ありませんか。今回はそんな願いをかなえられる、仙台市中心部にある『ものづくり』に特化した2つのシェアスペースを調査!ものづくり初心者が活用するポイントを探ってきました。
まちの工作室「FabLab SENDAI – FLAT」
訪れたのは、仙台市青葉区一番町にある「FabLab SENDAI – FLAT(ファブラボ仙台フラット)」。
南町通に面したビルの4階にあるシェアスペースです。
部屋に入ると、大きなテーブルの周りにたくさんの工具や機材が。見慣れないデジタル機材もあり、何が作れるのか考えるとワクワクしてきますね。
迎えてくれたのは、こちらのスペースを運営している小野寺志乃さん。2013年に『まちの工作室』としてオープンして以降、仕事に活用する企業やプロのクリエイターから、趣味として利用する個人、学生まで、さまざまな人が利用しているそうです。
「ファブラボ」という言葉の意味を聞いてみると、「マサチューセッツ工科大学のプロジェクトから生まれ、デジタル工作機械を備えた一般市民のための工房と、その世界的なネットワークを指す言葉」とのこと。
「ファブラボ」と名前が付いた施設は、世界に約2000カ所、国内に20カ所程度あり、各地に取り組みが広がっているのだとか。な、なるほど~!(規模の大きさに圧倒されるスタッフ)。
身近な材料やソフトでも作れちゃう!?
設置されている機材は、光の熱で素材を切断したり、表面を掘ることができる「レーザーカッター」や、樹脂を溶かして立体物を作る「3Dプリンター」、UVライトで木材や樹脂の表面に図柄を印刷できる「UVプリンター」など。
訪れた日は、ちょうど3Dプリンターが稼働していました。実際に目の前で見るチャンスって、なかなかないですよね!
グラスにレーザー加工をして名前を入れたり、結婚式で使用するウェルカムボードを作ったりと、皆さんいろいろな用途に活用しているみたい。
「使ってみたいけど、専門的な知識が必要なのでは?」と心配になって聞いてみると、
機材を使用する前には必ず「機材初回講習会」に参加することになっていて、操作方法や加工のテクニックなどを教えてくれるそう。専門的なソフトが必要な場合もありますが、パワーポイントなどの身近なソフトやスマホで作ることもできるのだとか。
上の写真は100円ショップで購入できる素材などを使って、デジタル機材で加工したもの。これだけのバリエーションが作れるなんて驚き! ものづくりの可能性が広がりますね。
「FLAT」では、デジタル技術とクラフトの手法を融合して新しい民芸品を探るプロジェクトも行っているそう。こちらは、「赤べこ」からヒントを得て作られたという「縦ノリオーディエンス人形」。3Dプリントした人形に特殊な塗料を塗って、クラフト風に仕上げているんだって!
ほかにも、ものづくり初心者やスキルを高めたいという人に向けて、幅広い分野のワークショップが不定期で開催されています。
小野寺さんはこちらの運営のほか、東北芸術工科大学の講師としても、ものづくりに関わっているそう。
「『どうして皆やらないんだろう?』と思うぐらい、ものづくりは楽しいです! 既製品はもちろん完成度が高いけれど、ドンピシャでほしいものが手に入らない時もありますよね。ものづくりを、そんな時の一つの選択肢にしてもらえたらと思います。自分で作ったものは、時間や手間がかかる分、愛着も湧いてきますよ」。
「こんな物を作ってみたいんだけど…」という相談や「まずは機材を見てみたい」という見学の希望もOKとのこと。利用料金や予約方法など、詳細は下記のWebをチェックしてくださいね。
問い合わせ
FabLab SENDAI – FLAT
宮城県仙台市青葉区一番町2-2-8 シエロ南町通 4階
水・金・土曜10:00~20:00 ※臨時休業の場合あり
TEL022-797-5384
https://fablabsendai-flat.com/
ものづくりスタジオを併設「杜の都ものづくり大学」
続いて訪れたのは仙台駅から徒歩8分、青葉区本町にある「杜の都ものづくり大学」。2022年にオープンした「ものづくり特化型コワーキングスペース」です。
「作業する場所がない」という若い人たちのために、ものづくりを気軽に利用できる場所を作りたいという思いからオープンしたこちら。さっそく中を案内してもらいます。
仕事や勉強など、自由に利用できるフリースペース。奥にはミーティングルームもあり、会議やプレゼンに便利。フリードリンクやロッカーが利用できるのもうれしいですね。
ものづくりに特化したスタジオは5つ。「ソーイングスタジオ」には、大きな裁断台のほか、アイロンやミシンなど、プロ仕様の機械が用意されています。かわいらしい部屋の雰囲気に刺激されて、良いものが作れそう~!
工具や機材がたくさん並んだ「DIYスタジオ」。マンションやアパートに住んでいるとDIYってなかなか難しいけど、ここなら思いっきり作れますね。本棚やイスを作る人も多く、思い思いにDIYを楽しんでいるんだって。
こちらは、3Dプリンターやレーザー加工機、電子工作や塗装ブースを利用できる「クリエイトスタジオ」。
レーザー加工機で、ジーンズやコースターに好きなイラストをプリントすることもできます。推しのグッズ作りに活用している人もいるんだとか!
動画配信や料理教室など、幅広いものづくりに
幅広い分野のものづくりに活用できるのも、「杜の都ものづくり大学」の特長。
「キッチンスタジオ」では、料理ができるのはもちろん、撮影用の照明が設置されているので、料理教室や動画配信に活用することも。プロジェクションマッピングの投影もできて、友達同士の気軽なパーティーに利用してもOKなんだって!
Web会議や面接、動画配信に便利な「プライベートルーム」。コンセプトが異なる3つの部屋があり、上の写真は「宮城」がテーマ。リングライトまで用意されているなんて至れり尽くせりですね~。
多目的スタジオでは定期的にギャラリーが開かれ、仙台のものづくり・アート活動も盛り上げています。
6月21日(土)~29日(日)には、企画展「Art Storm in Sendai Vol.2」を開催予定。東北在住で今注目の若手作家たちの作品が集まるそうなので、この機会に行ってみてくださいね。※写真は取材時の展示
初めて利用する場合には、見学できるほか、スタッフが操作方法を教えてくれる機材講習も受けられます。
「予約をすれば、24時間365日利用できるので、仕事や勉強にとっても便利です。入退室はスマートロックで管理され、セキュリティも考慮しています。困ったことがあれば、声を掛けてくださいね(スタッフ・渡辺純香さん)」
スタジオは1室あたりの料金なので、友人同士でシェアするのもオススメ。ぜひ皆さんも、ものづくりの初めの一歩を踏み出してみて!
問い合わせ
杜の都ものづくり大学
仙台市青葉区本町 1-12-2 モンテベルデ花京院2階
24時間365日 ※スタッフ対応は平日10:00~18:00
mori385@mm-fablab.com
https://mm-fablab.com/
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